眼鏡星人
一時はだいぶマシになったパパイヤ期がここのところの出張続きでまた振り返し始めてしまい、寄れば触れば「パパ見ないで!」と手酷い仕打ちを受けていた旦那が、ある日娘との距離をぐっと縮めるコミュニケーション方法を思いついてしまったらしい。
それは最近眼鏡ショップJINSでもらったこんな内輪をお面のようにして「眼鏡星人だぞー!」と叫びながら娘に近づくという極めて危険な遊び。何故彼はお面を付け、奇声を発しながら近づくという方法が最良のコミュニケーションと考えるのだろう…サンタの時も節分の時も…過去二回を考えてもこの類の方法でうまく行った試しがない…いつもトラウマレベルでビビられ、更に開く距離がオチだ。きっと今回もこの全力のコミュニケーション方は娘に受け入れられることはないだろう…旦那の心のケアの方が大変だな…等と思っていたが…なんとこの「眼鏡星人ごっこ」、思いの外娘の好評を得た。「きゃーっ!」と黄色い悲鳴をあげながら「アンパンチ!カレーパンチ!メロメロパンチ!食パンチ!ロールリボーン!」と様々な必殺技を繰り出し、「めがねせいじー!」とじゃれつく…3度目の正直と言うが、ホント、良かったね…今度こそ、娘のハートをがっちり掴んだはず…!そう!がっちりと…!がっちり掴んで…掴みすぎて………朝起き抜けに「パパ、眼鏡せいじやって。」お風呂上がりに「パパ、めがねせいじー!」ご飯の時も「めがねせいじはどこだ?」とめがねせいじを求める日々。お風呂上がりのめがねせいじに至ってはパジャマも着る間も与えないのでパンツ一丁で眼鏡仮面を被り、奇声を発しながら近づく様はもはや狂気の沙汰なのだが、娘は楽しそうだ。とにかく、すっかり眼鏡星人が「パパ」のアイデンティティになってしまった旦那。しかし、この眼鏡星人は常に全力で声を張り上げ、動きを止めてはいけないという自らの首を絞める設定なので、正直、フルで構えるのは5分が限度。ウルトラマンよりは闘えるが、それでは決して娘は満足しない。今年40を迎える旦那にとって娘との眼鏡星人ごっこは命がけなのだ。そうして娘のエネルギーを受け止めきれなくなった旦那は徐々に眼鏡星人という「パパ」のアイデンティティを自ら封印し出し、完全に封印される頃にはまたパパイヤ期が始まるのである。頑張れ!私は思う!きっと他にもっと良いコミュニケーション方法、あると思う!普通で良いんだと思う!
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