サルじゃなかったのに…
ちょっと前の話だが、ワタクシ恥ずかしながら携帯を落としてしまいました。セキュリティーをかけているので私以外は見られないようにはなっているとはいえ、もしものことがあっては腹を切る位じゃすまされません。
藁をもすがる思いで駅の落とし物取扱所に行きました。
「け、携帯を落としてしまったようなのですが…。」
青ざめる私に係員のおじさんはマックスマイルでなんとも丁寧に対応してくれました。
「さて、どこのどんな携帯ですか?」
「○○でピンクです。いや…ピンクパールっていうか、ちょっと光沢のかかったピンクで…でも、派手なピンクってわけじゃないんですが…」
「ピンクの携帯…と。」
私の説明もそぞろに落とし物用紙にそう書く係員のおじさん。
「あ、はい…ピンクです。なんか、すみません…。」
「なんかストラップとか付いてた?」
「あ、はい。えっと、チェブラーシカっていうキャラクターのマスコットなんですが…こういうのです。」
とカバンから数あるチェブグッズを取り出して見せた。
「それはサルか何かかな?」
「サルじゃありません。チェブラーシカっていうロシアのパペットアニメーションで…。」
「チェ…チェ…ぶ…なんですか?」
「チェブラーシカです。」
「チェ…?ん?」
「チェブ…」
「チェグ…?」
「いえ、チェブ……サルのマスコットです。」
「はい、サルのマスコット…と。」
…………………だって私の腹がかかっているんですもの…。
「で、待ち受けは?」
「……同じサルのキャラクターの待ち受けです…。」
「はい、わかりました。」
しかし、なんだかここで引いては負けっぱなしな気がして私は新たな情報を提供した。
「あと、シーサーのメスの方のストラップも付いてます。」
「あ、はい。シーサーのストラップ…と。」
「メスです。」
「え?あ、はいはいかっこ、メス…と。」
こんなめんどくさいお客にもかかわらず、このおじさまは真摯にかつ丁寧にかつビッグマックスマイルで粘り強く対応してくださいました。
おかげ様で、携帯はその日のうちに見つかり私は腹を切らずにすみました。ですが、何かもっと大事なものを切ってしまったような気分でした。
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